ドイツには世界でも他にはない速度無制限の高速道路であるアウトバーン。起源は1913年にベルリン郊外に自動車のテストコース「アヴス」までさかのぼります。
アヴスは第二次世界大戦後、F1ドイツグランプリのコースとしても使用され、現在はアウトバーンの一部となっています。
総延長が約1万3,000km、通行料は無料(大型商用車は有料)で、速度無制限区域は約8,000kmで、残りは制限区域で時速130kmが上限です。
アウトバーンのルール
速度無制限のアウトバーンですが、もちろんルールはあります。高速で走るからこそ、かなり厳格です。
わかりやすいのが車線のすみわけ。アウトバーンの主要区間は3車線となっており、車線ごとの役割が決まっています。
遅い車は一番右。日本に当てはまると一番左の車線を走ります。制限速度が時速80kmの大型トラックが主です。
真ん中の車線は推奨速度が時速130kmで、多くの乗用車がこの道路を走っていますね。流れに乗れない車は右側を走るのが徹底されています。
一番左の車線は時速130㎞を超えるスピードで走る車のための車線です。マナーとして、後ろから早い車が来たら譲らないといけません。
みんながルールを守るからこそ、長距離をストレスなく走れるのでしょう。
こんなに高速で走るなら車間距離は十分取らないと思うかもしれませんが、アウトバーンではかなり車間距離が短いです。
日本だとあおり運転といわれそうなレベルで近かったりします。
アウトバーンで出した最高速度
アウトバーンは速度無制限ですが、今までの最高速度はどのくらいでしょうか。
2022年1月9日、チェコの実業家が愛車のブカッティ・シロンに乗って時速417kmで走行した動画をYouTubeに挙げています。
彼が走っていたのは交通量が少ない早朝でしたので、問題はなかったようです。
今まで時速300㎞以上で走ったという動画は度々YouTubeにアップされていたようですが、時速400㎞オーバーは驚きの速度です。
さすがにドイツ国内でも問題となり物議を醸しました。
何かトラブルがあった場合、ブレーキを踏んで停止するまでに500m必要なことや、動画撮影に当たりステアリングから両手を離していたことなど指摘されています。
もしも事故があった場合、速度制限となる可能性があり、今後どうなるか気になる問題ですね。
自動車を発明した国であるドイツにとってアウトバーンは、国民の移動の自由を推奨するものであります。
アウトバーンを走行する機会があれば、無制限だからといって羽目を外さず飛ばしすぎないよう注意してください。